いや、それも難しいのです・・・
  7〜10時間目                   '

   惨憺たる有り様。(詳細は口にするのも恐ろしい)
 教習日が2日ほど空いた途端に、一本橋を通過する
 ことができなくなる。 S字カーブでは相変わらず転倒。
 心身ともにボロボロ状態で教官室に戻ると、「じゃ、次
 から2段階ね」 とのこと。(!?
 「ち・ちょっと待ってくださいよ!そりゃ、上のランクに
 行けるのは嬉しいけど、技術が伴ってないですよー」
 と言いたかったのだが、思いも寄らぬ言葉に、「よろ
 しくお願いします!」と答えてしまった。(どうする?ゼッ
 ケン「2」を付け、バイクを倒している教習生はいない
 ぞ!)
       '


  11時間目                   '

  2段階の始まりはシミュレーターによる教習。
  価格1,500万円というマシン(やったことは無
いが、ゲームセンターにあるオートバイ体感マシ
ンの高度なものらしい)
に跨り、様々な走行シーン
をクリアしていく。 人が飛び出したり、車が突っ込
んで来たり・・・30分もすると気分が悪くなり、嘔吐
寸前であった。(「寸暇を惜しみ、本物のバイクに
慣れておきたいというのに。まったくぅ」と少しだけ
思う)


 あと1回あるらしいが、こればかりは必要性を感じない。
負うた子に教えられたか・・
  12時間目                  

   一通り検定コースを走ってみる。「坂道発進」、「急制
 動」は何とかなりそうだが、どうしても一本橋で脱輪し、
 カーブでふらついてしまう。 「上半身は力を抜いて!」
 「カーブでは膝を固めて、身体を倒す!」と言われるが、
 そうはならない身体に忸怩たる思いを抱きながら帰宅。
   落ち込む親父に、「できると思えばできるんよ」と(自
 分のことは棚に上げて)
長女が言う。
   ま、それも「有り」かな?

  14〜15時間目              '

  2通りの検定コースを走る。 記憶細胞の衰えは
 未だ顕然とはしておらず、すぐに覚えてしまった。
  「左側50センチ幅以内を走行!」だとか、「右足
 を着くときは後方確認!」だとか、いろいろと指摘
 はあったが、そんなことは気をつけさえすれば良
 いこと・・・。 わが敵は唯一、「一本橋」であり、検
 定試験における、正に鬼門である。
  そんな小生の苦悩も知らず、教官から「試験は
 いつ受けますか?」と尋ねられ、「・・・まだとても
 受けられる状態ではありません。」 と答えるのが
 精一杯だった。
  テクニカルアドバイザーは、大型自動二輪運転歴10年のDくん


神よ!どうか奇蹟を再び!

  17時間目                  

   第2段階、最後の教習。 検定試験の日は決まっ
 たものの、奇蹟でも起こらない限り、受かるはずも
 なし・・・。 と思っていたら、なんと、最後に走った
 一本橋を、完璧なタイムで渡りきってしまった!
   「も・・もう一度やってみよう!」 というところで、
 「はい、戻ってくださーい」という教官の無情の声。
  はたしてこれは、神の啓示か、破滅の罠か?
   余分に入金した分で、補習を受けようとしたが、
 「試験を受けるまでは、もう受けられません」との
 こと。 そうですか、落ちりゃ受けられるんでしょ!
 落ちてやりますよってんだ。


検定試験は明日。さあ、どうなる!?


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