この記実は、齢45を過ぎてなお「オートバイに乗ってみたい」という積年の夢を叶え
るべく、あらゆる抑圧、戒飭(ちょく)や罵言に抗い、なけなしの貯金をはたいて
'「普通'
自動二輪免許」'を取得しようと試みた、あるオヤジの物語である。            '

もちろん、こんなことはしない  もし、買うんだったら
 「コレ」と決めている。





 HONDA XR250

入                                                 '
  実に四半世紀ぶりの自動車学校。 周囲は我が子のような年齢の若者ばかりであった。 '
希望に胸ふくらませ入学するも、昼夜を問わず会議や行事が連なる職場にあり、1週間後の
夜間にやっと第1回目の教習を迎える。                               '
                            おそらく最高齢と思われる

折りしも空からは無情の雨
  初                           '

   まずは倒れた車体を起こすところから。 教本通りに
 やってみる・・・ びくともしない!焦って力任せに起こそ
 うとするも、まるでダメ。 教官から再度コツを習い、
 'やっとの思いで成功。(以後、しょっちゅうバイクを倒す
 ので、起こすのがとてもうまくなる)
   入校時の適性検査結果は「特優良」だったのにー。
 (ぜひ実技は免除にして欲しかった・・・。)       '

(教本には載っていない)発見その1
※上体をバイクに覆いかぶせるようにすると、意外と簡単に持ち上がっ
  てしまう。



  2時間目                    '

   時計回りで外周をぐるぐる廻る。 程なく、S字の
 カーブやクランクが混在する 「基本コース」 を走っ
 てみてくださいという指示を受け挑戦し、カーブで
 あえなく転倒。 一緒に受講している若者たちの、
 滑らかな走りに嫉妬し、羨望する。         '





 ひとより後に入っておいて・・
橋の形でなければ真っ直ぐ行けるのはなぜ!?

  3時間目                  

   一本橋と呼ばれる10メートル程の細い道を通ってみ
 るが、何度やっても落ちてしまう。
   聞けば、検定試験で橋から落ちれば、即不合格との
 こと。 ましてや7秒以上時間をかけて行かねばならない
 らしい。 果たして、最後まで渡りきることができるのだろ
 うか? いや、・・・できまい。         '



(教本には載っていない)発見その2
※右足でブレーキを踏んだまま走ると、スピードが制動され、タイムを
  稼げる。バランスをとる程度に左足もクラッチを踏んでいて構わない。





  4時間目                     '
   いっこうに向上しない自分にくじけそうになる。
   講習料を 前渡全納(多分超過するはず)して
 いなければ中退していたのでは・・・。
   年寄りの生徒に対し、教官の皆さんが気遣っ
 ておられるのが却って心苦しくもあり。
   何とか気持ちを奮い立たせ、また学校へ向かう。


 担当教官は28歳だそうです
いったいあと、何日、何円かかるのだろう?

  5〜6時間目                '
   虚仮(こけ)の一念か、何回も渡っているうちに
 一本橋から落ちなくなる。
   それも何度か、夢の7秒台をマーク!成功率は
 8割というところ。 精神的に弱い小生は、検定試
 験で残りの2割が出てこないことを祈るのみである。
   この日、一度もバイクを倒さずに、2時間の教習
 を終える。


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