この記実は、齢45を過ぎてなお「オートバイに乗ってみたい」という積年の夢を叶え
るべく、あらゆる抑圧、戒飭(ちょく)や罵言に抗い、なけなしの貯金をはたいて'「普通'
自動二輪免許」'を取得しようと試みた、あるオヤジの物語である。 '
「コレ」と決めている。 HONDA XR250 |
初 日 ' まずは倒れた車体を起こすところから。 教本通りに やってみる・・・ びくともしない!焦って力任せに起こそ うとするも、まるでダメ。 教官から再度コツを習い、 'やっとの思いで成功。(以後、しょっちゅうバイクを倒す ので、起こすのがとてもうまくなる) 入校時の適性検査結果は「特優良」だったのにー。 (ぜひ実技は免除にして欲しかった・・・。) ' (教本には載っていない)発見その1 ※上体をバイクに覆いかぶせるようにすると、意外と簡単に持ち上がっ てしまう。 |
2時間目 ' 時計回りで外周をぐるぐる廻る。 程なく、S字の カーブやクランクが混在する 「基本コース」 を走っ てみてくださいという指示を受け挑戦し、カーブで あえなく転倒。 一緒に受講している若者たちの、 滑らかな走りに嫉妬し、羨望する。 ' |
3時間目 一本橋と呼ばれる10メートル程の細い道を通ってみ るが、何度やっても落ちてしまう。 聞けば、検定試験で橋から落ちれば、即不合格との こと。 ましてや7秒以上時間をかけて行かねばならない らしい。 果たして、最後まで渡りきることができるのだろ うか? いや、・・・できまい。 ' (教本には載っていない)発見その2 ※右足でブレーキを踏んだまま走ると、スピードが制動され、タイムを 稼げる。バランスをとる程度に左足もクラッチを踏んでいて構わない。 |
4時間目 ' いっこうに向上しない自分にくじけそうになる。 講習料を 前渡全納(多分超過するはず)して いなければ中退していたのでは・・・。 年寄りの生徒に対し、教官の皆さんが気遣っ ておられるのが却って心苦しくもあり。 何とか気持ちを奮い立たせ、また学校へ向かう。 |
5〜6時間目 ' 虚仮(こけ)の一念か、何回も渡っているうちに 一本橋から落ちなくなる。 それも何度か、夢の7秒台をマーク!成功率は 8割というところ。 精神的に弱い小生は、検定試 験で残りの2割が出てこないことを祈るのみである。 この日、一度もバイクを倒さずに、2時間の教習 を終える。 |