編集後記



  冷夏、長雨、 それに畳み掛け
るような大型台風の上陸と、この
夏は自然の神が大いに怒った。
  自然を敬うことが なくなった、
わがままに地球を使うようになっ
た人間への しっぺ返しとは いさ
さか考えが飛躍しすぎか。
  地球上で 栄華を極めたのは
人類と恐竜だった。 なぜか、恐
竜たちは絶滅している。
  おそい夏の夕暮れ、北方の田。
異常な天候のため実の入らぬ稲
穂を前に、 ひとりの老女が 両手
を合わせて拝んでいた。
  自然に対する、人間の本来あ
るべき姿 なのかも知れない。 人
はまだ優しく謙虚であるべきだろ
う。
  自然はきっと答える。
             (1988.8)

  この時期、立て続けの歓迎会
や懇親会で胃を荒らす向きも多
いことだろう。 とはいえ、 親睦を
深め、互いを理解し、チームワー
クを充実させていなければ、 仕
事の能率を 100%に高めること
は難しい。
  そう言えば、小学生の頃、ある
先生から貴重な処世訓を教わっ
たことがある。
  「仲良くなりたいと思ったら、そ
の人のいないところで、 たくさん
たくさんほめなさい」そして、「して
もらったらうれしい と思うことを、
人にしてあげなさい」
  けだし、 それは社会に生きる
人間の真理であった。
  別れ、そして出会う。人のつな
がりがまた広がる春である。
            (1990.4)

  日頃明るいH課のY君は、時
としてひどく落ち込むことがある。
  わけを尋ねると、 大きな ダン
ボール箱を持って来た。中には
まだ目が開いてない子犬が5匹。
  彼は仕事上、「いらない犬とり
にきて」と連絡を受ければ、これ
に応じねばならない。
  そのたびに 彼は子犬の引き
取り先を探すのだが、 だいたい
においてままならず、小さな命は
(迷わねば) 天国へ召されること
になる。
  心やさしいY君には、 どうして
もやりきれないのだ。
  たまたま人間中心の世界だか
ら許される(?)ものの・・・。
  Y君は、時として ひどく落ち込
むことがある。
            (1992.7)




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