初 瀬 も の が た り

水路建設を請う

 B                                            
 そのころの挾間の庄屋は、下市の二宮善左衛門、上市の二宮久兵
衛、鶴田の三河尻六左衛門などでした。           

 「庄屋さん、どうか水路を造って、水がたくさん流れるようにし
てください」                       

 「水路を造るというのはとても難しいことだが、殿様にお願いし
てみよう」                        

 当時の府内の殿様は日根野(ひねの)吉明というたいへん情け深
い人でした。                       

早速庄屋たちは、府内城に行きました。殿様は、       
 「水路を造れば米もたくさん出来ることだし、良いだろう」 
と言って、大山・清水という工事の奉行も2人決めてくれました。
 今から350年ほど前のことでした。           




                              次のお話(next story)C